薪ストーブが使えるテントおすすめ9選!特徴や選び方・注意点も解説
焚き火の前でみんなで温かい食事を囲んだり、一年で一番輝く星空を見上げたり、雪の朝のしーんとした空気を感じたりと寒い時期だからこその楽しみがある冬キャンプ。その魅力が知られるようになり、冬キャンプを楽しむ人が増えています。
快適な冬キャンプに欠かせない暖房器具ですが、中でも特に最近じわじわと人気が高まっているのが薪ストーブです。
薪ストーブは屋外だけではなく、注意ポイントを押さえればテント内でも使用できます。
しかしテントなら何でも使えるわけではなく、薪ストーブの使用に適したテントを選ぶ必要があります。
テント内で薪ストーブを安全に使うための注意点も解説するので、テント内で薪ストーブを使って、冬キャンプを楽しく快適に過ごしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
▼おすすめの薪ストーブが使えるテントだけを知りたい方は動画でチェック!
目次
薪ストーブ対応テントの使用がおすすめ
基本的にテント内では火気厳禁です。理由として下記2つが挙げられます。
- 一酸化炭素中毒の危険
- 火災の危険
閉め切った室内やテント内、車内で火を使うと、酸素不足になり不完全燃焼が起き一酸化炭素が発生します。
有害な一酸化炭素を吸い込み一酸化炭素中毒になると、目まいや吐き気に始まり、最悪の場合は死に至る危険な症状です。
2つの危険を回避するよう作られているのが、薪ストーブ対応のテント。「薪ストーブをテント内で使いたい」とお考えならば、薪ストーブ対応のテントを強くおすすめします。
薪ストーブが使えるテントの特徴
一酸化炭素中毒や火事を防ぐために、薪ストーブ対応のテントには、以下2つの特徴があります。
- 換気がよく新鮮な空気を取り入れやすい
- 燃えにくい素材が使われている
それぞれ詳しく解説します。
換気がよく新鮮な空気を取り入れやすい
閉め切ったテント内で薪ストーブを使うと酸素不足になり、一酸化炭素中毒の危険性が高まるため、薪ストーブ対応テントは換気しやすくなっています。
薪ストーブ対応のテントの屋根部分には、煙突を出すための専用の窓(ポート)が開いており、薪ストーブから出る煙を出せるようになっています。
また薪ストーブ対応テントは入口や窓が複数あり、風通しの良いテントがほとんどです。ベンチレーション付きで、外気を取り入れやすいものも多数販売されています。
燃えにくい素材が使われている
軽くて扱いやすいポリエステル素材は、よくテントに使われる素材です。
しかしポリエステル素材は火に弱く、火の粉で簡単に穴が開きます。
そのため薪ストーブ対応のテントはコットンやナイロンなど燃えにくい素材を使い、火災の危険性を抑えています。
また最近は高機能ファブリックと呼ばれる、軽さと燃えにくさを両立した素材を使ったテントも続々と発売されています。
薪ストーブ対応テントの選び方3つのポイント
薪ストーブ対応のテントを選ぶ時に、押さえるべきポイントは以下の3つです。
- 薪ストーブを余裕を持って置けるスペースがある
- テント生地に燃えにくい素材が使われている
- 外気の侵入を防ぐスカートがある
この3つを押さえると、安全に快適に薪ストーブを使えるテントが選べます。それでは詳しく解説していきます。
薪ストーブを余裕を持って置けるスペースがある
薪ストーブをテント内に置く際、薪ストーブとテントの間には、ある程度距離が必要です。
距離が短いとテントが薪ストーブに触れて火災が起きたり、人が通る時に薪ストーブに触れて火傷したりする危険性があります。
薪ストーブと人の間にも距離を取るべきなので、広いスペースが必要になります。
薪ストーブを使いたいなら、大きめのテントを選ぶのがおすすめです。
テント生地に燃えにくい素材が使われている
薪ストーブを使う場合は、テント生地が燃えにくい素材のものを選んでください。燃えにくいと言われている素材は以下のようなものがあります。
- コットン
- ポリコットン
- ナイロン
- その他高機能ファブリック
コットンは火に強く、火の粉が飛んでも穴が空きにくい素材です。また通気性がよく、結露しにくいメリットもあります。夏は涼しく冬は暖かいので、一年中キャンプを楽しみたい人にピッタリの素材です。
「コットンは重すぎる」という人におすすめなのが、ポリコットン素材。ポリエステルとコットンの混紡素材で、ポリエステルの軽さとコットンの難燃性や通気性を兼ね備えています。
またコットンは特に乾きにくい素材ですが、ポリコットンも他の素材に比べて乾きにくい素材。しっかり乾燥させてから収納しないと、カビの原因になるので、どちらも注意が必要です。
ライダーや公共交通機関利用のキャンパーにおすすめできます。しかしコスト面ではやや高価になります。
外気の侵入を防ぐスカートがある
薪ストーブをテント内で使用する時は、上部から換気のためベンチレーションなどで外気を入れます。
その分、下からの冷気の侵入を防いで、足元を冷えから守ると快適です。
下からの冷気の侵入を防ぐために、フライシートの地面に近い部分に、スカートと呼ばれる裾が付いているテントがあります。
またスカートは、テント内の温かい空気を逃がさない役割も果たします。
薪ストーブが使えるテントおすすめ9選
ここからは薪ストーブが使える、おすすめテント9選を紹介します。
大きさや重さ、機能性もバラエティーに富んでいます。あなたにぴったりの薪ストーブ用テントを探してみてください。
※商品の価格表記は基本的に公式サイトの価格ですが、一部Yahoo!ショッピングなども含まれます。
▼下記動画では薪ストーブが使えるテントを、キャンパーさんが使用する様子を取材しているのでご覧ください。
Hell Sport(ヘルスポート):バランドーム8~10人用
世界最高レベルの品質を誇る、1951年創業のノルウェーのアウトドアメーカー「ヘルスポート」。以前は並行輸入か個人輸入でしか手に入らない、知る人ぞ知るメーカーでした。
現在は正規代理店が国内販売を行っており、以前よりも手に入りやすくなっています。
天井に煙突用窓、前面に大きな入口が3つ、さらに吸気口もあり換気がよい構造になっています。
通常燃えやすいといわれるポリエステルですが、バランドームに使用されているのは難燃性ポリエステル。燃えにくいもののポリエステルのメリットである軽さは変わらず、大型テントですが10㎏以下に抑えられています。
大きな入口が3つあり、出入りしやすいバランドーム。グループキャンプのみんなが集まるリビングにピッタリです。
【スペック】
- 価格:231,000円(税込)
- ポール長:4×685㎝
- パッケージサイズ:26×65㎝
- 重量:9.75kg
- ペグ重量:0.85kg
- 付属品:リペアキッド(生地、針、糸、リペアカバー、予備ポール部品)
- 耐水圧:3,000㎜
Ogawa(オガワ):ツインピルツフォークT/C
「テントはOGAWA」のキャッチコピーで有名な、日本のアウトドアブランド「オガワ」。100年以上の歴史が培った高い技術で、革新的なテントを生み出しています。
「ツインピルフォークT/C」のT/Cとは、ポリコットンの一種。断熱性や保温性が高く、一年中快適に過ごせるテントです。
隙間風を防ぐスカート付きで、冬キャンプに特におすすめです。
ただし煙突用窓は付いていないので、薪ストーブを使っている人は、入口の一つから煙突を出していました。煙突にカバーを付けるか、後から煙突ポートを付けるなどの対策が必要です。
また設営が簡単にできるよう、スタンディングテープが付属。ペグも少なめで、「初めてでも30分で設営できた」という口コミもありました。
設営が簡単なので、小さいお子さんがいるファミリーキャンプにピッタリです。
【スペック】
- 価格:104,500円(税込)
- 重量:幕体8.4㎏、ポール1.7㎏
- 収納サイズ:65×35×30㎝
- 付属品:スチールピン、張り網、収納袋
- 耐水圧:350㎜
NORDISK(ノルディスク):アスガルド19.6 8~10人用
デンマークの老舗アウトドアブランド「ノルディスク」。高品質でデザイン性の高い製品が人気です。
ノルディスクの「アスガルド」は、アイボリーのカラーリングが印象的なベル型テント。高級感と清潔感を感じさせ、多くのグランピング施設でも採用されています。
アスガルドは6~8人用と8~10人用のサイズ展開があり、こちらは8~10人用です。名前の通り19.6㎡の広さで、薪ストーブを置いても手狭にならず、ゆったりと過ごせます。
夏は涼しく冬は暖かいポリコットン製です。
かなりスペースが広く天井も高いので、キャンプ以外にもいろいろな使い方ができます。イベント時にも役立つテントです。
【スペック】
- 価格:162,800円(税込)
- 組立サイズ:幅500×奥行470×高さ300㎝
- 収納サイズ:116×42㎝
- 重量:20㎏
- 付属品:収納袋
- 耐水圧:350㎜
NORDISK(ノルディスク):アルフェイム 12.6
同じく「ノルディスク」の人気テント「アルフェイム」。とんがり屋根が可愛らしいティピータイプです。
サイズ展開は6人用と8~10人用があり、こちらは12.6㎡の6人用。薪ストーブを使うなら、デュオやファミリーキャンプに最適なサイズです。
アスガルドと同じくポリコットン製で、別売りのジップインフロアとインナーキャビンが追加できます。
トップ部分にベンチレーションがあり、換気面も安心です。ベンチレーションはひも1本で操作可能。薪ストーブ消火後も簡単に閉められます。
可愛らしいデザインはファミリーキャンプにピッタリ。おしゃれなキャンプがしたい女性におすすめです。
【スペック】
- 価格:121,000円(税込)
- 設営サイズ:400×400×高さ275㎝
- 収納サイズ:99×32㎝
- 重量:11.8㎏
- 付属品:収納袋
- 耐水圧:350㎜
DOD:レンコンテント2 Ⅼ
DOPPELGANGER OUTDOOR(ドッペルギャンガーアウトドア)の名前で愛されてきた、アウトドアブランド「DOD」。2018年に名前を変更し、さらに親しまれるブランドを目指して、ユニークな商品を続々と生み出しています。
サイズは、3人用Ⅿと5人用Lの2サイズ。こちらはⅬサイズです。
元々焚き火のために作られたテントで、燃えにくいポリコットン製。煙突が出せる大きな窓が8つあり、トップ部分にベンチレーター、足元にも換気用の窓が付いていて、換気は万全です。
またスカート付きなので、下からの冷気を防いでくれます。
大きな窓がたくさんあり、薪ストーブで温まりながら天体観測も楽しめそうなテントです。
【スペック】
- 価格:59,400円(税込・送料込み)
- 組立サイズ:500×500×高さ350cm
- 収納サイズ:75×28×28㎝
- 重量:16.9g
- 耐水圧:350㎜
- 付属品:アングルサポーター、キャリーバッグ
Snow Peak(スノーピーク):スピアヘッドPro L
高い機能性と洗練されたデザインが魅力の、日本を代表するアウトドアブランド「スノーピーク」。こちらはスノーピークの大型シェルター「スピアヘッド」です。
氷山を思わせる美しいデザインと爽やかなアイボリーカラーに、うっとりする人が続出しています。6人用Mと8人用のLサイズがあり、こちらはLサイズです。
ドッキング機能がありスピアヘッドを2張、3張とつなげられます。
下部の窓から空気を入れ、上部のベンチレーションへ逃がすので、いつでも新鮮な空気が取り入れられます。
薪ストーブの煙突用窓がついていないため、薪ストーブを使う人は、連結部から煙突を出して使っているようです。
みんながわいわい集まる、グループキャンプのリビングとして使うのがおすすめです。
【スペック】
- 価格:173,800円(税込)
- 組立サイズ:6.8×6×高さ2.8m
- 収納サイズ:87×33×高さ38cm
- 重量:16㎏
- 耐水圧:1,500㎜
- 付属品:キャリーバッグ
ルクセ:メガホーン3 シルバーホワイト
香港のブランド「ルクセ」。コストパフォーマンスの高いテントやタープを作っています。
メガホーンⅢはメガホーンⅡに煙突ポート(窓)を付けた冬仕様。特にシルバーホワイトはシルバーUVカット加工により、夏は涼しく冬は暖かく過ごせます。
別売りのインナーテントが装着可能。メッシュ素材で、夏キャンプも涼しく眠れます。
ソロキャンプやデュオキャンプにちょうどよいサイズ。一人静かに薪ストーブを楽しみたい人におすすめのテントです。
【スペック】
- 価格:30,900円(税込)
- 組立サイズ:4×3.3×高さ2.2m
- 重量:3.76㎏
- 耐水圧:1.800㎜
シークアウトサイド:レッドクリフ
2008年にアメリカの冒険家によって設立された「シークアウトサイド」。軽さと丈夫さを追究し、徹底した品質管理の下アラスカや北極圏などの苛酷な環境に耐えうる製品を生み出しています。
「レッドクリフ」は2人~6人用の中型ティピーテント。2.4㎏という驚くべき軽さを実現しています。
また煙突ジャック(さしこみ口)付きで、素材は比較的燃えにくいナイロン製。安心して薪ストーブを使えます。
使われているナイロンは「コーデュラ・シルナイロン」という強度が通常の7倍もある特別なもの。軽さと丈夫さを併せ持つ、高機能の素材です。
軽さが魅力のレッドクリフはバイクもすっぽり収まるサイズなので、特にライダーの人におすすめです。
【スペック】
- 価格:135,000円(税込) ※Yahoo!ショッピング
- 組立サイズ:469cm×333cm×高さ208cm
- 収納サイズ:56×18×16cm
- 重量:2.4kg:
- 耐水圧:4.000㎜
- 付属品:1年保証付きギャランティカード
テンマクデザイン:サーカスTC DX
「テンマクデザインは」アウトドアショップ「WILD1」のオリジナルブランド。アウトドアを知り尽くしたブランドならではの、機能的かつオシャレな製品が魅力です。
そんなテンマクデザインの定番テントシリーズ「サーカス」。機能的でオシャレなデザインながら、手頃な価格設定が人気のシリーズです。
少人数のキャンプなら、これ一つあればタープを持っていく必要がありません。
素材は夏涼しく、冬暖かいポリコットン素材。火にも強いので薪ストーブを使うのに適しています。
またスカート付きでテント下部からの冷気の侵入を阻止してくれます。
燃えにくい素材ですが、火災の危険を避けるため、煙突に保護カバーを付けるなどの対策が必要になります。換気にも充分注意が必要です。
入口のサイドフラップがタープ代わりになる「サーカスTC DX」は、1人で気軽に薪ストーブキャンプを楽しみたい人におすすめです。
【スペック】
- 価格:43,780円(税込)
- 組立サイズ:4.2×4.42×高さ2.8m
- 収納サイズ:63×27×27㎝
- 重量:12.3㎏
- 耐水圧:-
- 付属品:収納ケース、張り出し用ポール、設営用ガイドセット
薪ストーブをテント内で使用する注意点
薪ストーブをテント内で使う時には、注意すべきポイントが多くあります。一つでも注意を怠ると、火災や事故になりかねません。
テント内で薪ストーブを使う時の注意点は、以下の5点です。
- テントが燃えないよう薪ストーブ周囲のスペースを確保する
- 倒れないように薪ストーブや煙突を固定する
- 火の粉が飛ばないよう薪の量を加減する
- よく乾いた薪を使用して煙の量を最小限にする
- こまめに換気して一酸化炭素中毒に気をつける
テントが燃えないよう薪ストーブ周囲のスペースを確保する
薪ストーブ燃焼中は、非常に高温となります。なるべくテントや家具、荷物から離して置いてください。
そのため薪ストーブを使う場合は、使わない場合よりも広いスペースが必要です。
また煙突窓がないテントで薪ストーブを使う場合は、特に注意が必要です。
もしくはテント生地に、後から煙突穴(ポート)を付ける方法もあります。
メーカーに依頼したり、煙突ポート加工キットを購入し自作したりして、後から煙突ポートを付けることが可能です。
加えて薪ストーブを地面に直置きすると、芝生が燃えてしまうかもしれません。不燃性のシートや台を使って、地面を保護してください。
倒れないように薪ストーブや煙突を設置する
火災や火傷を防ぐために、薪ストーブは倒れないように設置する必要があります。
また強風の場合、煙突が倒れてしまう危険性があります。
気温も下がるので薪ストーブを使いたいところですが、安全第一で使用は控えましょう。
火の粉が飛ばないよう薪の量を加減する
煙突から火の粉が飛ぶと、テントやタープに穴が開く原因になります。
また大量の火の粉は火事の原因にもなりかねません。
その他に火の粉が飛ぶ原因は「生乾きの薪を燃やす」「針葉樹の薪を燃やす」が挙げられます。薪を選ぶ際は注意してください。
よく乾いた薪を使用して煙の量を最小限にする
湿った薪は燃えにくいだけでなく、煙が大量に出ます。
また燃焼中に破裂の危険も。薪ストーブには乾いた薪を使い、出る煙を最小限にしましょう。
もし薪が雨や雪で濡れてしまったら、薪ストーブの周辺に立てかけておくと、早く乾燥します。
こまめに換気して一酸化炭素中毒に気をつける
薪ストーブに煙突が付いている場合は、煙と一緒に一酸化炭素も外に出ていきます。
しかし煙突が煤で詰まってしまうと、煙が逆流することも。使用前は必ず手入れをして、煙突の詰まりを除いてください。
必ず一カ所は入口や窓を開けて、新鮮な空気が入るようにしましょう。その他にも1時間に1回は大きく入口や窓を開けて換気が必要です。
一酸化炭素を測定する一酸化炭素チェッカー設置も対策の一つ。一酸化炭素は無色、無臭の有毒ガスなので、発生していても誰も気づけません。
就寝時は、必ず薪ストーブを消火するのが鉄則です。
炎や一酸化炭素に注意して冬キャンプを楽しもう
抜群の暖房効果に加え調理でき持ち運びしやすく、火を見る楽しさが味わえるのが薪ストーブの魅力です。
最近じわじわとテント内で使う人が増え「私も使ってみたい!」という方も多いのではないでしょうか。
しかし薪ストーブをテント内で使うには、テント選びがかなり重要です。
冬キャンプの強い味方になる薪ストーブ。くれぐれも火災や事故に注意して、冬キャンプを楽しく快適なものにしてください。