今回は、今大注目のガレージブランド「TheArth(ざぁ~ッス)」さんを取材させていただきました。
TheArthとは、インスタグラムを中心に販売を行っているブランドです。
2019年には川口に実店舗をオープンしており、今回はその店舗にお邪魔してきました!
今話題のキャンプ道具メーカーの貴重な話を、根掘り葉掘り聞いてきたのでぜひ最後までご覧ください。
タナが実際にインタビューしている様子はこちらの動画で!
<前編>
<後編>
目次
TheArthを始めたきっかけ
今回お話を聞かせていただいたのは、代表の大熊規文さんです。
ずばりきっかけは「自分が一番欲しいものを作りたい」からだったそうです。
大熊さんがキャンプをしているときに、「もっとこんなギアがあったらいいのになぁ~」と思ったそうで、最初はDIYしてみたそうなんです。
実は大熊さん、実家の家業が家具屋さんであり、2011年には木工加工株式会社ビッグベアーを立ち上げた方なんです。そんな本気で木工をやってる人が本気で欲しいものをDIYした結果、それが商品になった!という経緯らしいです。
受信者から発信者へ
短期間で品質よく価格競争にも負けないものすごい工場を作ってあるので、食いっぱぐれはないそうです。
そんなビッグベアーでの大熊さんの立ち位置は、設計さんやデザイナーさんなど、その人たちのお仕事がそつなくこなせるように調整したりするという「受信者」でした。
ただ大熊さんの心の中にはどうしても発信したい気持ちがあったんですよね。
「俺はこんなことができるぜ」
それを発信する場が「TheArth」なんだそうです。
ベストセラー「ヘキサテーブル」はどう生まれたのか
続いて、ベストセラー「ヘキサテーブル」がどのようにして生まれたのか聞いてみました。
まずあの特徴的な六角形が生まれた理由は、「自分が使う焚き火用のテーブルが四角くて嫌だったから」だったそうです。
それで最初は、丸い形のテーブルにしようと考えたのですが、丸だと材料取りが悪くてゴミが多くなってしまう..なら直線的なものを組合せよう!
そうして生まれたのがあの六角形の形だったというわけです。
そして、足は最初から3本にこだわっていたみたいなんです。
というのも、カメラの三脚がそうであるように、3本脚はどんなに不整地な場所でも水平が取れて安定するからだそうです。
そんなこんなしてヘキサテーブルというものができあがっていくのですが、なんと最初に書いた図面から今までほぼ形が変わっていないそうなんです。六角形の形も足の高さもですね。
ただ、外形だけは最初の一号機はデカすぎね?となったらしいのですが、その次にはもうあの「ヘキ男」が生まれています。
ヘキ男を作る際には、国内で売られている焚き火台の火床の高さをすべて調べており、一番大きいのを突っ込んでも大丈夫なようにしたそうですよ!
ちなみに、六角旋風を巻き起こした大熊さんは世間から「六角大好きおじさん」と思われてるそうなんですが、実は大して六角は好きではないとのこと(笑)
メガネが六角形なのも後付けらしいです!
ギア以外には疎いもので…申し訳ありません(笑)
現在のヘキサテーブルのラインナップは何種類なのか
最初の1号機が作られ、その次にヘキ男が生まれ..その後も数々のヘキサテーブルを世に出してきたTheArthですが、なんと現在のラインナップは”45種類”!!!!
六角テーブルだけで45種もあるだけでビックリなのですが、ほかにもビックリなことに45種類もあるのにサイズはまさかの2種類だけとのこと。
ちなみに聞いたときのタナの顔がこちらです。
2つのサイズとは、
・ヘキ男サイズ:対面まで1145mm
・次郎サイズ :対面まで930mmの少し小さいサイズ
そこに突板の樹種×UV印刷の柄数でバリエーションが出て45種類になるというわけです。
大人気タープ「幕男」について
次は、こちらも大人気商品「幕男」についても聞いてみました。
幕男ができたきっかけは、TheArthさんが主催のキャンプイベント「六角祭」に、コラボの相手となる韓国の「URBAN FOREST」さんがお客としてきて営業をかけられたことが始まりだったそうです。
最初の頃は、消極的だった大熊さんでしたが、URBAN FORESTのタープを見てみたところその技術力の高さに気付いたそうなんですよ。
それで、「焚き火のできる、このシルエットの、この縫製のオリジナルタープを作ってくれるならコラボするよ」と回答したところできたのが、
難燃コーティング、難燃素材の幕男
だったというわけです!!
現在の幕男の状況
2018年に登場した幕男でしたが、いまでもバカ売れしているそうです!!
なんとこの撮影日の時点で、入荷が8カ月待ち!
ちなみに日本への入荷は春・夏・秋は遅れるんだそうです。
生産元は韓国のタープメーカーなので、地元のお客様を大切にしたいという意向があるそうで、韓国のトップシーズンであるこの3つの季節の入荷は遅れてしまうみたいですよ。
でも韓国の冬は寒すぎるので冬はキャンプをしないそう。したとしてもタープは張らないらしいんです。
なので、冬の入荷は早いですし、日本人は冬にもタープを張って焚き火をするので幕男の需要は冬になっても衰えないそうですよ!
TheArthの販売方法
ここからはTheArthの販売形態について迫っていきたいと思います!!
2019年に実店舗立ち上げたTheArthさんですが、それでも販売の中心はインスタグラムのままです。
インスタグラムで販売を始めたきっかけ
きっかけは、大熊さんがインスタグラムにヘキサテーブルの写真を載せたところ、需要があったことがです。
フォロワーさんがたくさんいるインスタグラマーの人たちから「そのテーブルが欲しい」と言われて売り始めたそうです。
ちなみにテーブルを作り始めた当初はほとんど趣味みたいなものだったので、最初の値付けがおかしく、税理士から「このまま2カ月テーブルを作り続けたらビッグベアーともども倒産する」と言われたそうです。
そこからインスタグラムでの販売が始まったわけですが、なんといまだに初回はインスタグラムのDMでやり取りをしています。。
相手からDMが来る⇒「このメールアドレスに連絡ください」と送る⇒納期の案内と買い方の流れ、PDFのカタログを添付して返信する⇒そして注文が来る
という一連の流れで受注しているそうなんです。
大手ECサイトや量販店で販売しない理由1
まず一つ目の理由は、本業のビッグベアーは納期が絶対だから!!
木工を取り扱うビッグベアーさんは特に店舗内装が強いそうです。
店舗内装を依頼してくるお客さんは、店舗契約して鍵を貰った瞬間から家賃が発生してるわけですから、お客さんはオープンまでの期間をできる限り短くしたいわけです。
そこでTheArthまで忙しくなってくると少し困ったことになってしまうそうです。ヘキサテーブルの販売・広報自体はTheArthが行っていますが、製造ラインはビッグベアーの中にあるそうです。
なので、TheArthに力を入れすぎると、本業がおろそかになってしまう….
TheArthを本気でやるとビッグベアーと一緒に共倒れしてしまう….らしいんです。
大手ECサイトや量販店で販売しない理由2
二つ目の理由は、今の規模感がちょうどいいと感じているから!!
やはり人気商品なので、量販店や楽天などからお話はいただくそうなのですが、今の規模ではやりきれないので、やるなら製造を海外にもっていくなどのスケールの大きなことを考えなければいけません。
しかし、いつ何が起こるか分からない現代、大熊さんは本業とTheArthに目を張っていなければいけない現状で精一杯なんだそうです。そこで、六角テーブルが海外で作られるなんてなるともう頭が回らない!!
なので、自分の目の届く範囲でやれている、今の規模感がいいそうです。
大手ECサイトや量販店で販売しない理由3
最後の理由は、お客様を大切にしたいから!!
今はできなくなってしまいましたが、昔は発想伝票を大熊さんが手書きで書いていたそうなんですよ。
それで、キャンプ場に大熊さんが行くと、キャンパーの方に気付かれて「六角テーブル使わせてもらってもらってます!」と声をかけてもらうこともあるそうなんですよね。そこで、キャンパーさんの本名を聞いたときに「あっ、わかった。○○県の方だ!」と分かるそうなんですよ。
その後は飲んじゃうみたいですよ(笑)
そういったユーザーさんが近いところにいてくれてるのがいいそうなので、大手ネット通販にドカーンと出して顔がもっと見えなくなってしまうのは避けたいそうです。
ちなみに、最初はキャッチコピーじゃないですけど「ヘキサの輪」とよく言っていたそうです。
ヘキサテーブルを作って、インスタグラムを始めて、お客さんに届いて、「本業家具屋さんだったんですか?」と聞かれて、本業の仕事を頼まれる。
本業の案件に繋がることも本当に多いそうで、ヘキサの輪の中にいるユーザさんには感謝しているそうです。
TheArth代表大熊さんの価値観
最後に大熊さんが大切にしている価値観に迫りました。
タナがこの日の取材で感じた印象が、
というものだったので、それを大熊さんに投げかけてみました。
すると「寝ても覚めてもものづくりしてたらつまらないでしょ」という答えが返ってきました。
自分は職人というわけではないから一日中モノづくりを考えてるわけではないし、お客さんと酒を飲んでるのがすごく楽しいんだそうです。
また以前ほかの取材で言ったのが「ものを作ることが得意すぎて発信することが下手な職人気質が多すぎる」ということ。
対して大熊さんは、ものを作る人がいて、仕事をとってくる営業さんがいてというピラミッドの中を全部やりたい人なんだそうです。
なのでモノ作りだけでなく、喋る・売るといった人と接する方も長けていたいという想いがあるみたいですよ。
ただ、すべてをやろうとすると時間とか色んなものが足りなくなってくるそうです….
でも大熊さんいわく時すでに遅しの40歳から、いつ終わるかわからない人生、足りないものが多くても死ぬまで精一杯やろう!というスタンスらしいですよ。
30歳まで遊んできたので、40歳からは生き急ぐみたいです。
まぁでも、30歳まで遊んできたこともいい経験らしいです。それがなかったら今はなかったかもしれませんし。
ご両親もフランクな方々だったので、好き勝手やらせてくれたみたいでそれも今の成功につながってるのかもしれませんね。
おわりに
ということで今回は、大人気ガレージブランド「TheArth」について、代表の大熊規文さんにお話をお伺いしました。
大人気商品「ヘキサテーブル」の誕生秘話からSNSを中心に販売する理由まで、普段は知れない裏側まで知ることができて面白かったですね。もっとTheArthさんの虜になってしまいそうです!!
最後までご覧いただきありがとうございました!
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