山林を売却するためには、必要な手順がいくつかあります。この手順を間違えてしまうと売却できない可能性が高くなるだけではなく、余計な手間が増えて時間がかかることも考えられるでしょう。まず山林を売却しようと思ったら、正しい方法で売却することを心がけてください。
この記事では、山林を売却するために必要な手順をまとめました。また売却の際に必要なものについてもご紹介します。
目次
山林を売却する際の手順を具体的に解説!どんな順番で売却が行われる?
山林を売却する際は、以下の手順に沿って行います。
- 山林の売却に必要なものを揃える
- 山林を売却する仲介業者を決める
- 仲介業者と契約して山林の調査を行う
- 査定から売却するか判断する
- 業者を仲介して購入者を探す
- 売買契約を結ぶ
- 売却金の受け取って引き渡す
まず山林の売却に必要なものを揃えてから業者側に査定をもらい、最終的には仲介業者を経由して購入希望者を探していきます。手順は非常に複雑ですが、順番を誤ると問題が発生しやすいです。売買契約を結ぶまでは業者としっかり相談し、正しい手順で進めていきましょう。
ここからは、山林の売却手順について詳しく説明します。
山林の売却に必要なものを揃える
まずは山林の売却に必要なものを揃えていく必要があります。具体的に必要な書類は、以下の通りです。
- 登記事項証明書
- 固定資産税の課税証明書
- 公図
- 地盤図
- 森林情報
上記の証明書や図、情報が売却時に必要です。
登記事項証明書は、山林に関連する情報が記載されています。登記簿謄本という名称が使われている場合もありますので、業者を経由して売却する際は間違えないようにしましょう。この書類は、売却時になくてはならない書類です。個人で保有しているものを提出してください。
固定資産税の課税証明書は、固定資産税を支払っている証明として提出しなければなりません。提出しなければ山林を保有していると判断されないため、売却できなくなります。市区町村の役所で写しを発行してもらえるため、もし紛失した場合でも行政に依頼すれば対処可能です。
他の証明書類は提出しなくても売買が成立する場合があります。しかし中には提出を求められる書類もあるので、事前に必要な業者を通じて入手しておくことが望ましいでしょう。上記の書類をすべて揃えたら、次の手続きに進みます。
山林を売却する仲介業者を決める
山林を売却するためには、仲介業者を決める必要があります。個人で山林を売買する方法もありますが、仲介業者を利用しなければほぼ売買は成立しません。理由は購入希望者を集められず、売買するチャンスが得られないためです。
また個人で山林を売買したいと依頼しても、山林について情報提示を行える環境が整っていません。その結果、購入を希望している人を集められなくなり、売却できるチャンスを失ってしまいます。必ず山林を売買する際は、仲介業者経由で購入者を募ったほうが良いです。
仲介業者に依頼する場合、以下のどちらかを利用するのが一般的です。
- 不動産業者
- 森林組合
不動産業者は身近にいる業者ですので、速やかに対処してくれる可能性があります。一方で森林組合は山林に詳しいメリットを持っているものの、依頼できる場所が制限されている傾向です。どちらを利用するか事前にしっかり考えておきましょう。
また業者に支払う手数料や仲介料についてもこのタイミングで確認し、問題がないことを判断しておくと良いです。
仲介業者と契約して山林の調査を行う
依頼先が決まったら仲介業者と契約し、山林の調査を行ってください。山林の調査は、売買する際の金額を決める最終的な材料となります。
この調査は個人でできることではなく、業者にすべて任せなくてはなりません。実際に業者が山林の様子を現地で確認し、最終的にどれくらいの価格で売却できるのかを判断してくれます。山林を売却する際の査定が受け取れたら、この金額で売却してもいいのかを検討してください。
売却価格は業者側が細かい部分まで調査してくれるため、しっかり根拠に基づいた価格が提示されます。明らかに安い価格を提示される可能性もありますが、調査によって提示された金額なので検討したほうがいいでしょう。あまりにも安い場合は、他の業者を検討しても良いかもしれません。
なお現地調査ではドローンの活用が進められており、現在は山林全体の調査が以前よりも簡単に終わります。
査定から売却するか判断する
査定を受けてから、この価格で売却するか最終的な決断を下す必要があります。山林を売却する際の価格については、高すぎると全く購入者が現れません。一方で安すぎるとあまり得をしない可能性もあるため、理想的な価格を検討していく必要があるでしょう。
しかし基本的には、仲介業者が提示した査定で売却したほうスムーズです。仲介業者側が提示した金額は一定の根拠に基づき、取引がしやすいよう理想的な金額を計算しています。この数字を変更すると、売買できるチャンスを失ってしまう可能性が高いです。
できれば提示された金額で売買してもらうように依頼し、最終的に購入希望者が現れることを期待しましょう。
業者を仲介して購入者を探す
業者に仲介を依頼したら、購入希望者を探してもらいます。
購入希望者を探すために業者側は、宣伝活動を積極的に行ってくれるでしょう。例えばネットの情報サイトや関係各所に山林の情報を掲載し、購入希望を募り続けます。山林の専門サイトを利用すれば売買が早めに終わる可能性もありますが、なかなか購入希望者が出てこない場合も多いです。
粘り強く購入希望者を探していく必要があるため、非常に時間がかかる作業となってしまいます。場合によっては1年以上経過することもあるので、ゆっくりと待てない人は売却価格を下げて早々に売却するよう心がけましょう。
売買契約を結ぶ
購入希望者が出てきた場合、売買契約を結びます。
売却価格について承諾してもらい、いつまでに売却金を引き渡すのか、手順や取引内容について確認を行う流れです。売買契約が結ばれた後は、基本的に価格の変更や購入のキャンセルはできなくなります。ここまで来るとほぼ山林売却という意味で、安心感があるでしょう。
売却金の受け取って引き渡す
最後に売却金を受け取って山林を引き渡します。
売却金から仲介業者に支払う料金が請求されますので、どれくらいの金額が差し引かれるのか確認しておきましょう。事前に手数料は確認しているため、提示された金額を支払えば問題ありません。
受け取った金額は自由に利用しても構いませんが、売却金額がかなり多くなっている可能性もあります。売却金額が多いようであれば、所得税の支払いに備えてある程度の金額は残しておくことが望ましいでしょう。
山林を売却するには仲介業者が欠かせない理由とは?個人での売買は難易度が高い
山林売却には仲介業者が必要であり、個人での売買は非常に厳しいことが予想されます。
なぜなら山林というのは、一般的な土地とは異なる観点で売却を検討しなければならないからです。使い道についても購入希望者に考えて貰う必要がありますし、山林の状態をしっかり把握してから売買を進めなくてはなりません。そして山林の状態を把握するためには、専門的な調査が必要です。
専門的な調査は基本的に仲介業者へ依頼しなければならず、素人での知識ではトラブル発生の元となります。しかし仲介業者へ依頼することにより、山林の状態や売却する際の価格をしっかり把握可能です。すると購入者も安心でき、双方にとって取引しやすい状態が整います。
もし個人での売買を進めるとなれば、山林の状態を正確に把握できない可能性が高いです。状態がわからなければ売買が成立しない状況も考えられます。また適切な価格での売却ができないため、なかなか買い手がつかない状態も続くでしょう。宣伝する方法も無いため、山林を知ってもらう活動もできないのです。
本当に山林を売却したいと考えているなら、仲介業者への依頼は絶対に行ってください。
山林を売却する際に利用できる仲介業者は?メリット・デメリットもご紹介
山林を売却する際に依頼できる仲介業者は以下の通りです。
- 不動産業者
- 山林を専門に扱う業者
- 森林組合
これらの業者を経由して売買する形が一般的です。不動産業者は一番身近になりますが、専門的な観点で依頼するなら他の業者を検討することになるでしょう。
ここからは、山林を売却する際に利用する仲介業者について詳しく説明します。
不動産業者
付近で運営している不動産業者へ依頼して、仲介業者として活動してもらう方法があります。ただ対応していない不動産業者もいるので、注意が必要です。
対応している不動産業者であれば土地の査定業務を行ってくれます。山林について慣れている業者なら、根拠に基づいた査定をしっかりと提示してくれるでしょう。またネットワークが非常に広い業者も多いため、山林の売買を全国的に宣伝できるメリットも。
一方で専門的な知識に欠けているケースもあり、説明不十分で売買契約が成立しないパターンも。また不動産業者へ相談したものの、山林は対応できないと言われる場合があります。
山林を専門に扱う業者
山林を専門的に扱う業者に依頼する方法は、売買をスピーディーに行う点から有効です。専門業者であれば山林の売買を長く経験しており、相談しやすい傾向があります。
メリットは山林に関連する知識が豊富で、何でも相談できる点です。山林を専門的に扱っているため、山林の状態や売買する際の注意点、更に購入希望者へ山林の使い道も検討・提案してくれます。売買の助けとなるのは間違いありません。
一方で山林を専門に扱う業者は非常に少ない傾向があり、相談できるチャンスが得られない場合もあります。また山林を専門的に扱う業者の中には、仲介手数料が高く依頼を出しづらいと感じる業者もいるでしょう。
森林組合
森林組合は、森林の保全や林業に関わる人が共同で活動するための団体です。実は山林の売買にも対応しています。
メリットは専門的な視点での調査が受けられる点です。山林に詳しい人が対応しますので、山林の問題点や売買する際の価格をしっかり算出してくれます。提示される価格は不動産業者と比べ、購入希望者が出やすいよう調整してくれる傾向です。
一方で森林組合によって、対応が大きく異なるデメリットもあります。特に仲介業者として活動していない森林組合もあるので、依頼する際は注意してください。また森林組合は日本全国にありますが、不動産業者に比べるとネットワークが弱く、宣伝がしっかりできない問題点もあります。
山林は売却までに時間がかかるので注意!じっくり時間をかける前提で
山林は不動産と違って売却までに時間がかかるため、じっくりと待たなければなりません。
売却に時間がかかる理由としては、購入希望者がなかなか出てこない傾向が強いためです。普通の土地であれば住宅用の土地として活用できるものの、山林というのはどのような形で利用していいのかイメージしづらいでしょう。そのため一般の人が購入したいと考えてくれません。
また売買契約を結ぶ際にも土地の調査が広範囲で必要となるため、時間がかかる要素も多数あります。特に山林の調査は、大きさによってかなりの時間がかかってしまうのです。場合によっては売却開始までの準備に、大幅な時間と手間が取られてしまいます。
短時間で希望者が見つかるものと判断しないようじっくり時間をかけて、購入者を見つけるように心がけてください。また売買契約を結んでいる業者との連絡はしっかり取るようにし、現在どのような状況なのか常に情報を得るようにしましょう。
なお売却手続きを開始した直後に、購入希望者が出てくる場合もあります。しかしこれは偶然、ラッキーだという判断で構いません。大半の場合はすぐに購入希望者が出てこないため、数ヶ月単位で待たなければなりません。
山林売却のまとめ
山林売却の手順は非常に複雑ですが、仲介業者を経由しておくとある程度の負担は軽減されます。特に山林の調査は、仲介業者を経由したほうが圧倒的に楽です。さらに見えていなかった山林の詳細な情報まで、しっかりと提示してもらえるメリットがあります。
仲介業者については、自分が依頼できる業者がどれだけいるか確認しておくのも良いです。場合によっては仲介業者が近くに全くおらず、選択しづらい可能性もあります。
仲介業者が見つかって連携を取れるようになったら、定期的に連絡を取って確実な山林売却を目指していきましょう。
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下記記事からお問い合わせいただけますので、山林の売却をお考えでしたらご相談お待ちしております。